Welcome to the dollhouse


『ウェルカム・ドールハウス』(1995)



カラフルな子供部屋に
主人公ドーンのキッズライクなファッションは
いかにもポップでKAWAII映画。

と思いきや

ヘビーパンチのいじめ映画。

でも重々しく描かれていなくて、
人生ってこうだよね、
みたいなテンションで淡々と
いじめられるドーン。




劇中でスティーヴというイケてるメンズの
歌うwelcome to the dollhouse ~~という
陰気なロックが映画を導く。

ガレージで練習する兄のバンド、
そこから流れてくるスティーヴの歌は
ちょっとイヤらしい雰囲気の
メロウなロックサウンド。

ドーンがスティーヴに心酔しきって
どんどん色めき立つ様子が
音楽からも受けて取れる。

さらにドーンとは正反対の美少女な
妹がチュチュで踊るインサートでは
いつもクラシックが流れる。

優雅で幸せに、私は順風満帆よ!
と言わんばかりの自由なバレエに
優雅なクラシックが流れ

ドーンの不満爆発な毎日に
たっぷりの嫌味を塗り込む。


だいたいこの映画、
わりと客観的にみてても気分悪くなる
くらいひどいいじめや待遇の数々なのに
当事者のドーンにはなんかそれがストレートに
届いてないというか。
出来事と当人に不思議な距離感のある
映画でした。

泣いたり困ったり状況を変えよう!
みたいなポジティブなことが全くなく

ドーンはいつも、なにされても、
不愉快そうに口を突き出して
時々汚い言葉で言い返す。

媚びもせず、改善もせず、
ただひたすらやられればやられるだけ
ドーンがめちゃくちゃひねくれる
ってゆう救いようのない映画なんです。

 
諸々のセリフの言葉じりだけかき集めると
容姿だけでいじめられてる風ですが、
不器用で立ち回りも下手、とにかく
学校という集団では嫌われそー!ってゆう
タイプすぎて救いようがない。

スティーヴ以外の男の子、
ブランドンともすれ違いの恋をしますが
これも双方かなり愛情表現が下手!

愛されずに生きていくとこうも
愛することに不器用になるのか、と
思わされる描写。

ただこのブランドンとの関係は
スティーヴとの関係よりドーンに
色んな影響を与えていると思った。




この映画、こういうカットが多くて。

真ん中と、左右。ってゆう独特な絵が
わりと気になるくらいでてきます。
スクールバスとスクールバスの隙間とか。

そんな中ブランドンと寝転がって
話をしている時も、

真ん中に線が入る構図になってます。
(屋根?の木材のようなものがブランドンと
ドーンのあいだに縦に割るように入る)

そんなシーンを経て2人は一度
ちょっと距離ができたり。


あとはドーンの飲んでいたジュースを
ブランドンが手で払い退けるシーンでは

転がったカップから赤いジュースが
ドバッと床に広がる。

そこでなんか、私は直感的に
ドーンが女になった!と思ったよ。
(月経を彷彿とさせるのよ、このシーン!)

それからドーンは少しずつ
性的なことに興味を持ちつつ

まあ、なにもないんだけど。

でも興味はしんしん、みたいな
描写が幾度となくあって
思春期だもんね、って思いました。

彼女のキッズライクなファッションや
カラフルで人形まみれの子供部屋は
未成熟の象徴だと思います。

それが少しずつ、そこを抜け出そうと
してる気持ちが薄っすらあるのは
わかるけど全然抜け出すまでには至らない。

リアル~!


ちなみにドーンみたいなファッションは
最近竹下にできたヴィンテージショップや
裏原あたりに行けば手に入ります。

ダサカワですよね、今言うところの。


結局ストーリー的には
本当になにも起こらないんだけど
小さな事件がちょこちょこあって
ドーンはそんな中とくに変化なし
ってゆうシニカルな映画でした。

ドーンは最後まで自分のことしか
考えてないし、
すごく成績が良かったり性格が良かったり
人から愛されるに値するところも無し。
ドーンは実はいい子で一発逆転!人気者!

みたいなことも起こりません。
本当に現実真正面の辛辣な作品でした。

そこが面白さでもあり、
どことなく突き刺さる部分でもある
作品なのかな!てところです。

ドーン演じるヘザー・マタラッツォは
後に『プリティプリンセス』シリーズで
主人公ミアの親友役のリリーをやってます。

そっちもまた味のある役なので
面白いですよ~。


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